「イサ。落ち着きなよ」

いつの間に侵入したのだろう。

風の守り神·ルークが、ベッド脇に位置する窓際に座っていた。

「ルーク!! 無事だったのか!?」

一年ぶりに姿を見せた命の恩人に、イサは涙目で話しかけた。

「あの時はマイを助けてくれてありがとう。

会えて嬉しい。

ルークとの再会を喜びたいのは山々なんだけど、今はそれどころじゃないんだ!

マイが、いなくなって……」

「マイから、イサへの伝言を預かってる」

「え……!?」

ルークの発言に、イサは目を見開いた。

「マイに会ったのか!? いつ!?

彼女はどこに行ったんだ??

知ってるんだろ!?」

イサはルークの肩を両手で強く揺すり、次々に質問を浴びせた。

ルークはイサの手首をつかみ、それをゆっくり離す。

「イサ。気持ちは分かるけど、落ち着いて聞いてくれ」

「ご、ごめん、つい……」

「……いい。そうなるのも、仕方ないことだ」