水の神·アルフレドの攻撃。

緑の衣装をまとった、ローアックスと名乗る男。

彼の攻撃からエーテルを守ってくれたフェルト。

……そして、目に見えておかしくなっている世界のバランス。


ほがらかなフェルトが立ち去ったあとも、イサとエーテルは難しい顔をしてその場を動こうとはしなかった。

そんな中、沈黙を破ったのはテグレンだった。

「イサ、エーテル。あんたたちを疑うわけじゃないが、この違和感……。

本当に何も、心当たりはないのかい?」

マイはやや緊張気味に、

「私は、イサとエーテルを信じてるよ。

ただ、この世界の異常は気になるよ……。

オーラのこととかはよく分からないけど、水の神のアルフレド……。

本来なら協力な水の力を使えるはずなのに、あの程度の攻撃しかしてこなかったのは不自然だし、本来の能力が消えつつあってかなりつらそうだった。

応急処置したから、しばらくは大丈夫なはずだけど……」

イサは神妙な顔でうなずき、

「さっきマイが言ってたように、この世界の異常を調べながら国に帰るのはもちろんなんだけど……。

国から何の知らせもないのが、気にかかる……。

もしかしたら、ガーデット帝国が敵の勢力に襲われてるんじゃ……!!」

イサは腰に携(たずさ)えた剣をギュッと握った。