「黒水晶は、自然の神達がこの世に実体化するために必要な物だったんだ」
自然の神達は、本来は目に見えない生き物で、実体もない。
空気のような存在であり、世界が始まった時から生きている者達だ。
人格はあるが、肉体は存在しない。
不老不死の生命体。
彼らはそれぞれ、火、水、木、風、土といった、世界を生かす自然の恵を守るために創造された存在なのだ。
彼らは人類が誕生する前から存在し、後に生まれる人類が生きていける環境を整えていた。
だからこそ、目に見えない存在でありながらも《神》と呼ばれ、人々に信仰されるようになった。
自然の神達も、はじめのうちは人々のために力を尽くし、天命をまっとうしていた。