目を合わせるレイルとフェルトを見やり、アルフレドは和やかに言葉を継いだ。
「君達は魔術師か。
潜在能力が削られ、体にも傷がついているようだな」
アルフレドは2人に向かって両手を広げると、淡くて丸い水色の光を放出させた。
ディレットとの戦いと、防御魔術の使い過ぎに重なり、避難活動によって消耗したフェルトとレイルの体力を、アルフレドはわずか数秒で回復させた。
「……全回復してる!
神様って、癒しの力も使えるんすね!」
意外そうに言い、陽気に両腕を振り回すレイル。
アルフレドは微笑し、
「まあ、攻撃もできなくはないが、私はどうも暑苦しいことが苦手でね。
こうして人の傷を癒す方が性にあってるんだよ。
グレンなら、むやみやたら攻撃能力ばかり使うのだろうけど」
アルフレドの言葉に答えるように、チャラチャラした少年の声が届いた。
「アルフレド、ひどくね~?
俺だって、何も考えずに毎日筋トレしてるわけじゃないんだからなっ。
こう見えても俺は、癒し系の力も秘めてんだから!」
コント番組の主役に抜擢されてもおかしくないほど、この雰囲気に似合わない明るい口調でやってきたのは、炎の守り神·グレン。