「ごめんなさい……。

マイ。テグレン。

あなたたちの肉親は、もう――――」

「イサ様!!

こちらにいらっしゃると聞いて来ました……。

休憩中に申し訳ありません……!」

イサの告白をさえぎるように、見回りの兵士が部屋に飛び込んできた。

イサはさりげなく涙を拭うと、悠然(ゆうぜん)たる面持ちで、

「そんなにあわてて、何事だ?」

「カーティス様が、道場で、何者かに殺害されました!!」

「なに!?

道場……!?」

イサだけでなく、テグレン達の表情も一気にこわばる。

「はい。私と、もうひとりの兵士が見回りをしている最中に見つけました。

発見した時、カーティス様は、もう、息をしていませんでした……」

「そんな……!!

なにかの間違いだろ?

ついさっきまで、カーティスは私と一緒にいたんだ……!」

イサは、兵士の言うことを信じようとしなかった。

信じられなかったのである。