ゆっくりベットのそばまで近づく
ベッドの上には
僕の大切な…大切な彼女の菫が静かに眠っている。

ベッドのすぐそばに置いてある椅子に腰をかけて
菫の小さい手を両手でそっと包みこむ

そして、菫に語りかける

想「菫… 今日はね、道端ですみれの花を見つけたんだ
菫にも、見せてあげたい…。
だから、菫早く… 早く目を覚まして…」


そして、懇願するように包みこんでいた片方の手を、菫の頬に触れさせる


これが毎日の日課になっていた。


カラッ…


扉の開く音がして頭だけ扉の方に向ける

そこに立っていたのは

茶色がかった髪を横に縛って 少し苦笑している
菫の親友の 本里 早奈だった。

早奈「想さんにまた、先を越されちゃっいましたね…」

と言ってこちらに近づいてきた

早奈「あの日から、もう1年たつんですね…」

想「うん…」