その日の放課後、 あたしは分からない宿題の数学の問題を聞くために 悠弥の部屋に来ていた 『……あ、乃愛っ!!』 「ふぇっ??」 『ふぇっ、じゃねぇよ 乃愛が教えて欲しいって 言ったのに 俺の話聞いてた??』 「あ、……」 いけない、 翼くんの事ばかり考えて いたから 悠弥の話、全然聞いてなかった 「ごめんね、 もう一回言ってもらっても……」 あたしが自分の顔の前で 両手を合わせながら言うと 悠弥の顔が目の前にきた