しかし、今の時期に日本に
転校して来たのは



乃愛さんに会うためか、
それとも――






『……しばらく様子を見た
方がよさそうだな』




俺は眼鏡を外して窓から
空を見上げた




俺の心を映したかのように
さっきまで青かった空を
雲が覆い隠していた





『何事も無ければいいが、』




俺の呟いた小さな声も
不安定な雲に呑まれていった