それに、あたしの運命の人は――




『香坂、
悪いけどお前に乃愛を渡す気は一切ないから』




悠弥はそう言うとあたしの肩を引き寄せた




「っ!?////」




みんなの前だから恥ずかしくて

あたしは自分でも顔が赤くなるのがわかった




『残念だったな、香坂』




尚ちゃんが持っていたスプーンでカノンを指しながら言った




『いや、恋に障害は付き物
だからね

むしろこっちの方が僕に
とっては好都合だよ』




え……??




どういう意味なのか聞こうと
したら



予鈴が鳴って、あたし達は
急いで教室に戻った




午後の授業の間も、
お昼の時のカノンの意味深な
笑顔がずっと気になっていた