カノンの鼻があたしの耳元に
触れた
「カノン!?////」
『ん~
やっぱり、乃愛はいい匂いが
する』
もう、やめてよ
そう言おうとした時
『乃愛から離れろ、香坂』
「…悠弥」
いつの間にかあたし達の横に
悠弥が不機嫌さむき出しの
顔で立っていた
『はいはい、
そんなに恐い顔しないでよ
ただの挨拶なんだから』
悪びれる様子もなくカノンは
あたしから離れた
『それに、そう言っていられるのも今のうちだけなんだからさ』
『はぁ!?
んだよ、それ……』
――キーンコーン カーンコーン
悠弥が言いかけた時に予鈴が
なった
『授業が始まるからまた後でね』
あたしの手の甲に軽くキスを
して、カノンは自分の席に
戻っていった