『乃愛、』
カノンがあたしの頬に繋いで
いない方の手を添えた
『僕のものになってよ』
「な、何を……////」
あたしが泣いてたから
わざとそんなこと言ってる
だけだよね??
「じょ、冗談でしょ??
こんな時にやめてよ」
『違うよ』
いつになく真剣な瞳で
見つめられてあたしは
思ったんだ
――カノンは本気なんだって
『僕は乃愛を泣かせたりしない』
頬に添えてあった手があたしの顎に移り
あたしの顎をクイッと上に
持ち上げた
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