夕暮れに染まるサンフランシスコの街並みは


あたしの沈んだ気持ちを
解きほぐしてくれた




フィッシャーマンズ・ワーフ
から見える海は


あたしの心を優しくしてくれる





「……綺麗、」




素直に自分の気持ちを言える
くらい




『よかった』


「なんで……??」


『やっと乃愛が笑顔になった
から』




そう言いながらカノンは
あたしの手を握る手に
力を込めたのがわかった




「……カノン」




心配してくれたのかな、




「ありがと、」