今、目の前にいる陽香の
目に映っているのも翼なんだ




『……607、』


「えっ??」


『俺達の部屋番号


後で来いよ

話したい事あるだろ??』




俺はわざと“達”の部分を
強調して言った




「!!
ありがとう東城くん」




大事な翼と好きだった陽香の
為にこんなことするなんて、


昔の俺なら考えられなかった




乃愛に逢ったからだろうか、


乃愛に逢って俺は細かい
事に気がつけるように
なったのかもしれないな




一人でそんなことを考えて
いた時だった