「良かったじゃん。葵、そー言うの好きだし」
「うん」
「みんな新しい道に進むんだね…」
「美咲は進み過ぎだけどね」
「え?」
「あたしまだ認めてないよ?高校卒業して、その時の旅立ちはまだ5年って決まってたから送り出せれた」
「……」
「けど今回は分んない。ずっと会えないのは嫌だから。ホントは行ってほしくない」
「……」
「でも、美咲がそうするって決めた事だから仕方がないけど…」
「…ごめん」
小さく呟いたあたしは少しづつ視線を落とす。
今のあたしは、また会えるよ。なんて言葉は言えなかった。
自分でも分かんないの。
自分でもいつ帰って来るとか、何年経ったら帰って来るとか分んないの。
もしかしたら、もう帰って来ないかも知れないの。
それほど、自分にでも分かんないの。