そしてその直後、鞄の中から鳴りだす振動音に手を伸ばす。
スッと掴んだ携帯の画面を開くと、
“あやふやなまま行くんじゃねーよ!
さよなら、美咲ちゃん。
んで、ありがとう”
そう書かれてあった一条くんからのメールだった。
「…あやふやなまま、か」
ポツリと呟いた言葉。
その言葉でなんだか良く分からないけど目尻がボンヤリと熱く感じた。
そのまま携帯の画面に目を向け、ゆっくりと指を進め、
“こちらこそありがとう。天野さんを宜しくね。さよなら”
一条くんに送信した。
必ずしも出会いがあれば別れがくるって分ってんのに、悲しくなるのは何故だろう。
後、2週間と少し。
あたしもここにまた現われる。
その時は本当に寂しくなるんだろうか。
切なくなるんだろうか。
その気持がまだ今は分んない。