「メイクを頑張りつつ英語にも励みます」

「はい、そうして下さいね」


微笑んだあたしに天野さんは目の前に右手を差し出す。

その差し出された手にあたしの手を重ね合わすと、天野さんはゆっくりと上下に動かした。


「ホントに有り難うございました」

「こちらこそ」


お互い微笑んで手を離すと、「またね、センセ」そう言って手をヒラヒラと振りあたしの前から姿を消した。


そしてほんの一瞬だった。



あたしの潤んでた目に溜まってた


涙の一滴が頬を伝ったのは…