リアって人の事もあるけど翔が入院って、何で?

彩斗さんは飲み過ぎって言ってたけど。


だけど、あたしに言うってくらいは、まだあたしと翔が付き合ってるって思ってる事で。

だから“別れたんです”なんて言えなかった。


あんなにスラスラと言葉を吐き出している彩斗さんに何も言えなかった。



…あたし、どうしようか。


こんなにも、こんなにも付き合ってるとか、恋愛に対して考えた事がなかったから何だか苦しい。

5年前じゃ、何も考えなかったのに。


職業柄、翔が女の人と会ってても触れたりしても、それほど涙出すほど嫌じゃなかった。

ホストはホストだって、そう自分の中で思ってて受け止めてた。


だけど、今じゃ違う。


それほどの恋愛の重みが苦しすぎる。


…リア。

初めて聞く名前に胸を刺激する。


そしてふと舞い戻った記憶。


5年前。ママの病状が悪くて一度だけ早朝に翔の店の前まで訪れた事があった。

そこで見たのは翔と女の人が抱き合ってる所。


あの頃は別になんとも思ってなかったけど、あれがリアって人だったかも知れない。



ただ思う程に、明日がやって来る。

そんな毎日があたしにとったら怖かった。


次々と舞い込んで来る情報が、とてつもなくいらないと感じてしまった。


きっと昔と同じ。

生まれてきた意味をずっと探してるんだと、



今でもそう思った。