「なかなか病院いけなくてさ、見舞にも行けて――…」
「えっ!?」
思わず遮ってしまった大きな声に彩斗さんは少し驚いたようにあたしを見つめる。
「え?」
そう言った彩斗さんは少しだけ首を傾げた。
「見舞って…」
「え?だから入院してっから、その見舞」
「あー…」
何も言えなかった。
入院って何?
また悪いの?そんなの聞いてない。って言うのも当たり前か。
別れた女にいちいち言わないか。
確か一条くんが言ってたな。
しんどそうって、咳き込んでたって。
それが原因?
「まー…けど飲みすぎだろうけどね」
「飲み過ぎ…」
「翔さん最近カナリ飲んでたっしょ?一時期、酒は控える様に医師に宣言されてたのに最近自棄に飲む量が半端なくてさ、入院する前あったけどすげぇ飲むから」
「……」
「止めたんだけど飲むピッチも早ぇし」
辺りに目を配っている彩斗さんの口は止まらなく次々と言葉を発していく。
そんな彩斗さんの言葉にあたしは少しづつ視線を下げて足元を見た。