「行かないの?」

「行く。お前も行くんじゃねぇーの?」

「行くよ。嫌だけど行かなきゃいけないもん」


そう言って、あたしはため息を吐き捨てる。


「おいおい、センコーがそんな事言ったらダメだろーが」

「面倒くさいんだよ。それにさ、一条くんってさ諒ちゃんと似て学校に来ないの」

「へー…」

「ねぇ、諒ちゃん?」


問い掛けたあたしの言葉に諒ちゃんはあたしを見下ろす。


「うん?」

「昔のままの諒ちゃんだったらこの状況どうしてた?警察って役にたたないもんかな」


一条くんが“聞けば?”と言っていた事。

状況が激しくなる前に止まればいいって思ってんのに。


「状況がイマイチ分んねぇけど、警察が役に絶つとか絶たねぇとか、そう言う問題じゃねぇだろ。要するにアイツの気持ちが晴れるか晴れないかって事」

「……」

「ケリつけてアイツの気分が終わればそこで終わりってな事だろ。だから言ったからって何も変わんねぇよ」

「…そっか」

「つか、もう行くからな。じゃあ、な」


あたしに背を向けた諒ちゃんは軽くヒラヒラと手を振る。


「あ、諒ちゃん!!」


そんな諒ちゃんにあたしは声を張り上げた。