「それで…中をみる限り、胎児の存在は見当たらないの。もしかしたら流れてるかもしれないし」

「……」

「だけど、これから大きくなっていくであろう袋がね、広がってるの。それを元に戻さないといけないから今日から1週間、毎日薬を飲んで下さい」

「……」

「その薬は子宮を縮小して元に戻す薬で、飲んだ後にキリキリとお腹が痛くなってきます」

「……」

「だけどそれは決して悪くないからね。子宮を元に戻すって言う役割だから大丈夫です。もしも我慢出来ないってなった時の為に痛みどめも出しとくので飲んで下さい。それで…また1週間後、どうなってるか見るので来て下さい」

「……」

「この薬で元に戻ってたらいいけど、もし綺麗になってなかったら手術しないといけないからね」


沈黙のまま視点もあってないあたしに、女医さんは淡々とした口調で話してた。

でもあたしの耳になんて全然入ってなくて、何を言われたのかさえ曖昧だった。



…あたし、何でこんな所に居るんだろう。


診察室をでて暫く経った後に会計を済ませ、手には領収書と薬の袋。


無気力って多分、こー言う事。

全て何もかもに力が入んなくて頭さえも動かない事。



やっぱ、あたしって…

生きてる意味、あんのかな。


辿ると…昔の記憶が舞い戻ってた。