「えーっと、今は8週に入ったばかりだね…」
「…はい」
そう言った女医さんに小さく呟く。
下半身に痛みが走るのと、お腹を押さえられる感覚が気持ち悪い。
目を瞑ってフーッと息を吐いた時、
「…新山さん」
声を掛けられた声でハッと目を開けた。
「はい…」
「ここ見えますか?」
そう言って椅子で寝転んでいるあたしの横にテレビの画面が現われる。
「はい」
「今8週で、もうこの時期になったら赤ちゃんははっきりと映るの」
「……」
「だけど今、見た感じではその姿が現われていないの」
「…え?それって…」
心臓がバクバクした。
変な鼓動が鳴りやまなくって、さっきよりも額に汗を感じる。
「…残念だけど、流産してます」
「…流産?」
「とりあえず隣でもう一度、話をします」
そう言われても、何を言われたのか全然分かってなくて頭の中は真っ白だった。