「ゆーじろー、これどう思う?」

「どう思うって…まぁいいんじゃないのか?」

「なんだその適当な返しは!」

そんなこと言われても、それ以上の感情はないというか…

「へーへー。次からは気を付けるよ」

女ってなんで買い物が好きなんだ?
うきうきしやがって…
あんな梨沙を見るのは初めてだ。
いつもは生徒会長の梨沙だからな。いつも強くいなければいけない、みたいな顔して。
たまにはこういう息抜きも必要なんだろうな。

それにしても…
俺、浮いてないか?
この店に男は俺一人。
店員はみんな女。
そりゃあ浮くよな。

「ゆーじろー。どっちがかわいいと思うか?」

「えっ?」

どっちがって…どっちも同じに見える。
そんなこと言ったらぶっ飛ばされるだろうな。

「ゆーじろー?」

「あっ…梨沙は、どんな服が好きなんだ?」

「私?うーん…ゆったりしてるのが好きだな」

「ゆったりか…」

そういえば、今日のもどちらかといえばゆったりめな服装だ。

「そんなことはいいんだ。どっちがいいと思うか?」

「俺の好みになるけどいい?」

「あぁ」

「俺は…これがいいと思う」

そういって指したのは、梨沙が持っていたもののどちらでもなく、その近くにあった服。

「ゆーじろー、貴様は馬鹿なのか?どっちがいいと聞いたのに、全然関係ない服を選んでるじゃないか」

「へーへー。俺は、ただそれが1番梨沙に似合うって思っただけだ」

「…///」

黙り込んでしまった梨沙。
俺、なんか変な事言ったのか?