翠サイド

ガシャーン!

氷が割れる音が響き、何人かが翠に駆け寄る。

「翠様、こちら北側は殲滅しました。」

「南側も、負傷者はいるが死者は無し。殲滅も完了だ。」

「東側も同様、西側は後少しで抑えられます。」

翠「了解しました。負傷者の手当てと、こちらの援護も頼みます。」

正面から東西南北に分かれ、それぞれ妖を討っていた部所からそれぞれ"草"が翠に報告する。

何故翠に報告するのか。それは翠が一番周りを見て指示し、フォローしていたからだ。

それに合わせ拓海、龍之介、蓮、飛鳥、賢人が中心となり翠の指示に従うため、周りも自然と彼女を頼る。

翠「こちらも後少しで抑えられます!皆様、今一度気を引き締めて下さいませ!!」

「「「おお!/はい!」」」

高らかにそう言えば、周りも自然と返事を返す。

白棹はそんな様子に目を細めた。

白【数日前迄は有り得ぬ光景であったな。】

白棹は小さく笑い、すぐに敵に視線を移す。

ガキィィン!

?「っと!」

白【ん?】

白棹の攻撃を受け止めた妖は誰かに似ていた。