秋雅サイド

秋雅は翠の弟子である、鴉天狗の血を引いた少年の報告を受け地を強く蹴り、屋敷の屋根に登った。

「Σ!? ジ、ジジ様!?」

屋根にいた者達は、突然の当主の登場に驚くもすぐに膝を付き頭を垂れる。

秋「よい!儂に頭を下げる暇があれば敵に集中しろ!」

厳しい声で言えば皆一様に頷き、武器や符を構えた。

秋雅は大蛇を睨みながら懐から符を出す。

秋「ここに参ったこと…後悔するがよい!」

秋雅が符を頭上に投げると、それはたちまち煙に包まれ大猿が姿を現す。

秋「よく参った。あれを討つぞ!猿鶴(エンカク)!」

猿【ウッキー!!久しぶりに喚んだかと思えばデケェ獲物じゃねぇか!】

秋「腕が鳴るだろう?」

フッと不敵に笑う秋雅に猿鶴と呼ばれた大猿もニヤリと笑う。

猿【おうよ!いっくぜぇ、しっかり掴まれよ秋雅!】

猿鶴は肩に秋雅を乗せ、一っ飛びで大蛇に飛び乗った。