翠「なんや?何故妖気が上がって…
ハッ!まさか、龍脈を吸い上げとんやないやろな!?」
頭に浮かんだ可能性は捨てることは出来ないほど今の現状を表していた。
賢「そう考えていいだろうな。
ハッ、まるで八俣遠呂智の討伐を見ているようだ。」
八俣遠呂智を倒すさい、須佐之男命は八つの門を造りそこに強い酒を用意したと云われている。八俣遠呂智はそれぞれ頭を門に入れて酒を呑み、酔い潰れたところを討たれたとされていた。
今の現状もまるで龍脈が酒のようだ。ただ違うのは酔い潰れる事が無いことか。
賢人は大蛇から視線を飛鳥に向ける。
賢「烏山、お前ジジ様に報告したんだよな?何と仰っていた?」
飛「御当主はただ一言、『儂が討つ。』と。」
賢人と翠は目を見開きお互いに見やる。
賢「どう思う?」
翠「私が聞いた話では今から40年前、当主になられた年からジジ様は現場に出ておりません。とはいえ、ジジ様を超える符術師は神木にはおりません。」
賢「我が師ながらあの方の実力は流石だと思う。しかし、あれほどの妖怪を1人で倒すのは…」
ドガァン!
白【阿呆どもが。あれも当主となるに相当の修行と経験を積んでおる。その様な心配は失礼といえよう。】
白棹は向かってきた妖を薙ぎ払い、そう呟く。
白【まずは己の前にいる敵を倒すことに専念しろ。それをやってから秋雅の援護に行けばよかろう!】
翠「せ、せやね!皆、まずはこちらを優先します!」
「「「はい!/おう!」」」