賢「! まさか…八俣遠呂智か!?」

蓮「やまたのおろち?って古事記にある『須佐之男命(スサノオノミコト)』が倒した大蛇じゃない?」

翠「せやね。確かそれで須佐之男命は日本神話で厄介者から英雄となった神よ。」

白【確か、八俣遠呂智の尾から神器の一つである『草薙の剣(クサナギノツルギ)』が出たと云われているな。】

翠「けど、ホンマに八俣遠呂智なん?」

?「だと思います。」

バサッと羽音と同時にドゴッと打撃音。見ると賢人の足元にいた筈の妖がいつの間にか後ろにおり、攻撃しようとしたところを飛鳥に倒されていた。

?「注意力散漫。気を付けて下さい。」

「「「飛鳥/烏山!」」」

フワッと舞い降りたのは漆黒の少年。

翠「飛鳥、だと思いますってどうゆうこと?」

翠は飛鳥に近寄り問う。

飛「先程、上空を見てきたのですが蓮の言う通り身体が何かと繋がっていました。大きすぎて全体は見えませんでしたが四方八方にあれと同じ気配がします。」

賢「方角は?」

飛「御当主に確認したところ、どうやら封印が解かれた方角らしいです。その一つである第四封印の方からも気配がしましたから間違いないでしょう。」

そう言って飛鳥は視線を大蛇に向ける。翠も習って見上げると、奴の妖気が上がっていっているのがわかった。