私は司に背を向け寝たふりをした。
足音が次第に私に近づいてくる。

「記憶喪失やなんやて?残念やけどこれだけは知っといて欲しい。俺は今でもお前だけや。記憶がないんならまた新しく作ったらいい。やし…」

司は私の手を握りながら話してくれた。
けど今さら、何ができる?
お母さん達に反対されたのに今さら戻る事なんて出来ない。
というより私が許せない。



――――ごめん、司…。