『ここは……何処?』


目を覚ました所は、森の中。


『変な所…。』


少女は周りをキョロキョロと見た。


『生き物の気配が無い。』


奇妙な静寂に包まれている。


しばらく森の中を歩くと、大きな真っ白の屋敷が見えてきた。



―――ここに入っては駄目。



頭で考えた訳じゃない。
心が叫んでいた。


生き物でないもの達の帰るべき場所。
始まりであり、終わりを告げる場所。
与えられた役目を、終えたものの場所。


『ここじゃない。』


少女は再び歩き出した。