梅沢が【A】と書かれた表札の飛び出た
ドアの前でぴたりと足を止めた。

私のクラスはAクラスのようだ。

梅沢がこちらをチラッと一度みて、「大丈夫」というように頷いた。

そしてドアをガラリと開ける。

教室のドアが開かれた瞬間、クラスの独特な空気がふわっと私にぶつかってくる。


あぁ、平常心 平常心

よそ者扱いされないように

今日から暫くは、誰にでも好かれやすい
より普通で素朴な女の子を演じよう…

挨拶も、落ち着いて少しにこやかに…良い印象を与えるようにしなきゃ。

落ち着け小川理恵。


私は梅沢の後に続いて、
教室にそっと足を踏み入れた。