2010年4月。

峯島は、まだかったばかりの学ランを
だらしなく着て、
都立中野高校
1年7組の教室の窓際の席で、窓の外を眺めていた。

はれて第一志望校である、都立中野高校に入学するも、

学校が始まり、すでに二週間が経過したが、

未だに友達が一人もいない現実に、
峯島は、不安より、
絶望を感じていた。


「あぁ、早く軽音部で友達を作らなくては…」

クラスにすら友達のいない峯島が、
イケイケとした軽音部の友達を欲しがるなんて、
まるでおかしな話だが、
彼がそう考えるのには、理由があった。

単純にバンドが組みたいのだ。
ブルーハーツみたいな。