「昨日、冨田ちゃん、“今年は本命チョコだけなんで!”って課長や部長に義理チョコしないって断り入れにいったらしいぜ」

「マジかよ。わざわざ?」

「わざわざじゃねぇよ。どうせおまえが貰ったんだろ?」

「……まぁな」

「“まぁな”じゃねぇよ。かっこつけてんじゃねぇよ。ムカつくな」

「自分で聞いてきておいてなんなんだよ」

「おまえのせいで俺たちは冨田ちゃんから義理チョコすらもらえなかったんだぞ!」

「俺のせいじゃねぇし」

「で?」

「あん?」

「何貰ったんだよ」



「…………………………忘れた」



「忘れるわけねぇだろ!おまえ、顔がいやらしいんだよ!何隠してるんだよ!!」

「ちょっと斎藤!!」


今度はなんだよ…


「あんた、たかだかバレンタイン如きで調子にのって、ヤることだけヤッてれおのこと捨てたらぶっ殺すからね!」


松崎がものすごい勢いで迫って来る。


「おい、松崎、どういう意味だよ」

「山下うるさい!あんたは関係ないんだから口挟まないで!」

「ヤることヤッてって?!」

「…山下うるせぇよ。松崎も朝から大声で喚くんじゃねぇ」

「おまえ、まさか冨田ちゃんからのバレンタインって、冨田ちゃ…」

『おはようございまぁす』