…優ちゃんたちがすぐに居なくなったのも、朔也さんが居なくなったのも、全部仕組まれてたってこと…?


「…私だけが何も知らないまま、ここに居たってこと…?」

「ん」

「………」


「やっぱりこういうのは嫌だった?」


……ううん。

嫌なんかじゃない。




「私…、龍輝さんと一緒に見たいなってずっと思った。
だけど龍輝さんと連絡が取れなくて、ほんとは凄く怖くて、不安で…」

「うん」


「…今日龍輝さんに会えてよかった。
私っ…いま、凄く幸せです…」


…ドォン と打ち上げられる花火の音に、私の声はかき消されてしまったかもしれない。

だけど隣に居る龍輝さんは今までに無いくらい優しい顔で笑って、私の頭をそっと撫でた。




「俺も、幸せだ」




ドォン!! と、今までで一番大きな花が開いた時、龍輝さんの唇が私の唇に重なった。




たくさんの人が居るところだから、誰かは私たちを見ていたかもしれない。

だけど龍輝さんはそんなことなんて気にせず笑い、私も龍輝さんだけを見て微笑んだ。