……。


このままで、いい。

大雅さんはそう言ったけど…、でも、本当にこのままでいいのかな…?


「……って、考えても結局何も浮かばないんだよね」


何かしたい。
でもその“何か”が思い浮かばないから…やっぱり私は、このまま居た方がいいのかもしれない。




「そういえば龍輝さんって…朔也さんの気持ちを知ってるんだよね」


…学園祭の時、朔也さんに「好き」って言われたその場に龍輝さんが居た。

と言うか、龍輝さんが促して、それで朔也さんが私に気持ちを言ったような…?


「……龍輝さんは、今の状態を“辛い”って思ったことは無いのかな?」


いつも楽しそうに笑ってる龍輝さんと朔也さん。
お互いの想いを知っているのに、それでも一緒に居る二人。


…龍輝さんは、今の状態をどう思ってるんだろう?




「……電話したら、迷惑かなぁ」


家族の元に戻ってる龍輝さん。
メールでのやり取りは何度もしてるけど、電話はしたことがない。


家族と一緒の時に電話したら、やっぱり迷惑だよねぇ…。




「んー…」


とりあえず、【 電話してもいいですか? 】ってメールすることにした。