……。
そのあとのことは、よく覚えていない。
電気が消えて、肌と肌が触れ合って、またキスをして…――、
――…気が付いた時は朝で、隣に居たはずの龍輝さんはもう居なかった。
テーブルには置き手紙と…、
「…鍵?」
え、これってもしかして、この部屋の鍵…!?
慌てて手紙を開くと、綺麗な字でこう書かれていた。
【 朔也たちと会う約束してたからもう行くよ。
それから、うちのカギ真由に渡しとく。
いつでも来ていい。って言うか来て欲しい。
じゃあまた。 龍輝 】
………。
「…なに、これ」
私よりも、朔也さんたちと会うことが大事なわけ!?
…まぁ、それはそれで龍輝さんらしいけど。
でも、ちょっとショック…。
「……ま、いっか」
ショックはショックだけど、でも、さらっと凄い物貰っちゃった。
龍輝さんの部屋の鍵…。
それがあるから、嫌な気分は全部吹き飛んでいった。
「……ありがと、龍輝さん」
その鍵をギュッと握り締め、小さな笑みを浮かべて窓の外を見つめた。