あー…、そっか。
複雑な家庭で育ってきたけれど、龍輝さんと優ちゃんは兄妹なんだった。
実の妹である優ちゃんと、私が同じような顔だったら…、うん、凄く変な気分になるだろうな…。
「…でも、妹大好きーって人も居ますよね?」
「あぁ妹とは結婚出来ないから妹に似た女と…って、んなことするかよ」
龍輝さんはやっぱり苦笑気味に笑って、今度は私の体を引き寄せる。
「俺は真由だから好きなんだよ。
お前の、全部が好き」
耳元での声に、体全部が熱くなっていく。
そうだ、私…龍輝さんと二人きり…。
それを意識した瞬間に、心臓がバクバクと音を立て始める。
「………」
「………」
見つめ合う私たち。
そして、龍輝さんの唇がゆっくりと近づいて…、私の唇に触れる。