……。


ショッピングセンター内の和食のお店に入り、お昼ご飯。

注文を終え、ふーっ、と息を吐いた時に大雅さんが笑う。




「真由ちゃんと二人きりでご飯なんて、初めてじゃない?」


…そう言われれば、そうだっけ。

いつもみんなが一緒で、大雅さんと二人きりというのは初めてかも。


「前はさ、俺と二人で出かけるのは苦手だって言ってたのにね」


……うん、確かにそう言った。

大雅さんは、元カレ…――涼太くんに似ているから、だからあんまり二人きりになりたくなかった。

でも…、


「…大雅さんと涼太くんは、全然違うってわかったんで」


…大雅さんと涼太くんは全然似ていない。
「似てる」と思ってしまったことが申し訳ないくらいに二人は違う。

それに気付いたから、こうして一緒に居られるのかもしれない。




「涼太って、この前の彼だよね。
実はさぁ、“俺はあんな風に見えてるのか?”ってちょっとへこんでた」

「あ…ご、ごめんなさいっ…」


「んや、気にしないで。
つーか俺、前はあんなだったかもしれないし?」


しれっと笑う大雅さん。

その顔が、何かを思い出したかのように私を見た。




「そういえば真由ちゃん、龍輝と喧嘩でもしたの?」

「え…?」

「なんかアイツ、ここ3日すっげー機嫌悪い。
元々怖い顔してんのにさぁ、もっと怖い顔してるから見てるこっちがビビるよ。

で、真由ちゃんの名前を出すと更に妙な雰囲気になる。
だから何かあったのかなーと思って」