……。
……はぁ…。
行ってくれてよかった…。
龍輝さんたちが戻ってこなかったら、殴り合いとかになってたかも…。
「なんなのあいつら。
龍輝さんたちが戻ってこなかったら、私マジであいつら殴ってたよ?」
「…あは、は…」
……健吾さんと付き合い出してからの優ちゃんは、時々怖い。
やっぱり身近な人の影響力って凄いんだなぁ…なんてぼんやり見つめていると、龍輝さんが私の視界に入ってきた。
「アイツになんか言われた?」
「あ…はい、少し…」
「なに?言って?」
真剣な顔に、心臓がドキリと鳴る。
こんな時なのに鼓動は速まって、顔が赤くなるのがわかった。
でもううん、こんな風にドキドキしてる場合じゃなくて…涼太くんに言われたこと、話さなきゃ。
「えっと…また付き合おうとか、そんな話です」
「そーそー。なんか朔ちゃんのこと真由ちゃんの彼氏だと思ったみたい。
それで、馬鹿にしたような目、つーの?そういうのされたからムカついた。
つーか、なんで俺じゃなくて朔ちゃんを見て“彼氏”って言うわけ?ってのもムカついたんだけど」
そんな風に大雅さんが言葉を足すと、龍輝さんは「なんだそりゃ?」って感じで笑う。
それから朔也さんを見て、その手からお茶を奪って飲む。
「で?お前はなんでアイツらに睨まれてたわけ?」
その言葉に、朔也さんはふっと笑う。