「鍵、開けろよ」

「はい…」


促されるままに鍵を開けると、篠宮 莉央はあたしの腕を引いたまま家の中を進む。

そして辿り着いた部屋は…

寝室!?


「きゃっ」


少し乱暴にベッドに倒される。

ちょっと待って、この流れはまずいんじゃ…


「あ、あの!1つ食べちゃったけど…あたしのチョコ、受け取ってくれる?」


篠宮 莉央の気を紛らわそうと手にしていた箱を差し出す。


「あぁ、ありがとう」


にっこりと笑ってチョコを受け取った篠宮 莉央。

よかった…

気を紛らわせた…

そう思ったのに…


「でもチョコ1つ分、身体で補ってね♡」


今までで1番の、恐ろしいほどの笑顔だった。



「ふ、んぅ…」


もう何分キスしてるかしら…

また舌を絡ませるキス。


「う…ん、ッ!?」


急にお腹辺りがひんやりとして、見ると篠宮 莉央がワイシャツのボタンを下の方から順に外している最中だった。

ブレザー、カーディガンのボタンはすでに全て外されていた。

なんであたし気づかなかったの!?


「ん、ん〜〜〜!!!」

「黙ってろって…」


やっと唇が離れたかと思ったら、次は首筋から鎖骨辺りにかけて何度もキスを落とされる。

時折リップ音を立てたり、舐めたり…

あたしがそのキスに完全に蕩けてしまったところで、シュルッと制服のリボンを解かれ、ワイシャツのボタンが全て外された。

待って、待って待って待って!!!

あたし今どうゆう格好!?

ブレザーもカーディガンもワイシャツのボタンも外されたってことは…


「ッ!?」


胸元に篠宮 莉央の息がかかり、身体が硬直する。


「可愛いブラつけてんね」

「ひっ…」

「まぁ外しちゃうけどね?」

「だ、だめっ!」



パチンッ



抵抗しようにも身体が動かないあたしの背中に篠宮 莉央の手がまわって呆気なく外されたブラホック。


「…ッ」


あたしの思考は完全に止まってしまった。


「ぁ…ッ」


ブラの上から優しく胸に触れてきた手。


「…緊張してる?」


耳元で囁かれて背中がゾワゾワする。


「優しくするから…ね」


その言葉と同時に剥がされたブラ。

2月の外気に晒されツンと尖っているのが自分でもわかる。


「ふぅ…ッ」


また唇を塞がれて深いキス。

さっきと違うのは篠宮 莉央の右手があたしの左胸に置かれてること。

その手は怪しく動き、わざと中心には触れてこないように触れてくる。


「ふ、ぁ…」


唇が離れ、首筋から胸元に伝ってゆっくりと舐められる。

舌はそのまま左胸の中心まで、はこないでその周りをクルクルと舐めている。

右胸は篠宮 莉央の左手によって同様、中心には触れずに触れられる。


「…ッ」


焦らされて先ほどより硬く尖っているのがわかってとてつもなく恥ずかしい。

ふいに篠宮 莉央がふと笑ったような気がした。

その瞬間…


「あッ…!?」


ついに舌先が中心に触れた。


「あッ、やだッ!嫌ッ、変に、なる…ッ!」


口に含まれ、吸われたり軽く噛まれたりする度に全身に痺れが走る。


「や、あぁッ!だめ、だめなのッ!!」

「可愛い…」

「あッ、あぁッ…!」


その瞬間、一際強く噛まれ、指で弾かれ、あたしの身体は反り返ってからビクビクっと大きく揺れた。


「…胸だけでイッちゃった?」


あたしは全力疾走した後みたいに呼吸が荒くなって、言葉が上手く喋れない。


「まだ終わってないけどね…?」

「え…?」


不敵に微笑んだ篠宮 莉央。


「痛くしないから、安心して?」

「…ッ!?」


その言葉にこれからしようとしている行為に気づく。

だめ…

あたし、まだ心の準備が…


「ひッ…」


スカートの裾から中に侵入してくる篠宮 莉央の右手。

そのまま太ももを数回撫でてから、パンツ越しに触れた…

布越しでもわかるくらい濡れてる。

布が濡れて張り付いて形がわかっちゃうんじゃないか、なんて考えてる余裕すらない。


あたし、このまま篠宮 莉央と…

初めてなの、めんどくさがられないかな…

引かれないかな…

初めてが篠宮 莉央で嬉しい…

嬉しいはずなのに…

どうしてこんなに…


「…ッ」


隙間から指が入ってきて、ぎゅっと目を瞑る。

だけど、指はそのまますぐに離れていって…


「…ッ!?」


ぎゅっと力強く抱きしめられた。


「ごめん…」


どういうこと…?

何?

何が起こったの…?


「泣くほど、怖がらせて…」

「え…?」


篠宮 莉央が拭ってくれた涙。

涙が出ているなんて、気づかなかった…


「嫌な思いさせて、ごめん…」


あたしは首をフルフルと横に振る。


「嫌な訳じゃないの、恥ずかしくて、それにまだちょっと怖くて…ごめんね」

「お前が謝んなよ…」

「ん…」


今度は触れるだけの、優しいキス。

すごくすごく大切にされてるって伝わってくる。

あたしは今のままで十分幸せだけど、篠宮 莉央の期待に応えたい…

まだ時間はかかるかもしれないけど…

必ず応えるから…

それまで待っててくれるかしら…