[凛李愛side]

「ん…?」


あれ…

なんでここに篠宮 莉央が…?

てか、顔近くない…?

あれ…

え…?


「ッ!?」

「あ、やっと起きた」

「ちょっ!?なんで!?今、キス…」

「あんま起きないから、しちゃった」


そう言ってにっこり笑う篠宮 莉央。


いや…

"しちゃった"って…


「11時に迎え来るって言ったろ?それなのにお前昨日のまま寝てるし…百歩譲ってそれはいいとして、鍵くらい閉めろよな」


篠宮 莉央はいつもより上機嫌な口調で話すけど…


「なんで篠宮 莉央がここにいるの?」

「…は?」

「今日用あるって言ってたじゃない」

「…お前、何言ってんの?」

「え?だって昨日あんたが用あるって言ってたんじゃない」


"何いってんの?"はこっちのセリフよ!


「…昨日のこと覚えてねぇの?」

「…クリスマスパーティーのこと?そんなの忘れる訳ないじゃない」

「その後。みんな帰った後のこと、覚えてる?」

「みんなが帰った後のこと…?そんなの…」


あれ…?

そういえば、みんなどうやって帰ったんだっけ…?

奏汰の友達が6人来て、それからみんなでケーキを食べて…

それから…?


「あ、思い出した!昨日奏汰が買ってきたジュースの中にお酒が混じってたのよ。それをジュースと間違えて飲んじゃったの。そこからの記憶が…」


後で奏汰に文句言ってやらなきゃ!


「まじかよ…じゃああれは酔っ払ってたってことか…だから様子が変だったのか…」

「あたし酔っ払ってたの!?え、なんかしちゃった…?」

「…別に……」

「そう?ならいいけど。で?なんで篠宮 莉央がここにいるの?」

「……」

「篠宮 莉央…?」

「今日、用なくなったんだよ。クリスマスに1人で過ごすとか虚しいじゃん?カナは予定入ってるみたいだし?暇だからお前と遊んでやろうと思って」

「あぁ、そうなの…」

「で?遊ぶの?遊ばないの?」

「あ、遊ぶ!!」

「じゃあ待ってるから早く準備してこい」

「わかったわ!」