[凛李愛side]

クリスマスに向けて町中が華やかになる12月の中旬…

ある事件が起こった。


「篠宮くん…ちょっといいかな?」


昼休み、隣のクラスの子があたしたちの元へ、正確には篠宮 莉央の元へとやってきた。


「…何?」

「ここじゃちょっと…///」


篠宮 莉央はめんどくさそうな顔をしながらも一緒に教室を出ていった。


「あの子莉央と同じ委員会の子だ」

「篠宮のこういうの初めてじゃない?」

「不思議なことに今まで莉央に告ってくる子いなかったよね〜」

「独り占めするなって暗黙のルールなんじゃない?」

「……」

「凛李愛?」

「凛李愛ちゃん?」

「え?あ…あたしジュース買ってくる…!」


教室飛び出しちゃった…


あたし…

今までどこか勘違いしてた。

確かに今まで篠宮 莉央に告白してくる子はいなかった…

だからかもしれない。

篠宮 莉央と1番距離が近いのはあたしだと思ってた。

今もこれからも、あたしは篠宮 莉央の隣に当たり前のようにいられると思ってた。

でも…

そうじゃないんだ…

篠宮 莉央を好きな子はたくさんいる。

もし篠宮 莉央がその中の誰かを選んだとしたら…

あたしはもう……


「凛李愛?」

「ッ!?」


突然聞こえたあたしを呼ぶ声。


「何こんなとこ突っ立ってんだよ」

「篠宮 莉央…あんたこそ用は済んだの?さっきの子、なんだって?」

「別に…大したことじゃねぇよ」

「そう…」


言葉を濁す篠宮 莉央に寂しくなった。