[莉央 side]

ぎゅッ…



不意に俺のワイシャツを握ってきた凛李愛。


…?


こいつがこんなことするなんておかしい。


なんか…

素直だ…


「…凛李愛?」


名前を口にすると見上げた凛李愛と当然のように視線が合う。



ドキッ…



ありえねぇけど…


認めたくねぇけど…


確かに"ドキッ"って音が身体中に響いた。



凛李愛は頬をうっすらと赤くして少しだけ涙で潤んだ瞳で見つめてくる。


こいつのこんな顔を見たのは初めてで…

どう対処していいかわからない。