[莉央 side]

「……」

「………」


歩き始めてから10分近くたった。


「ずいぶん大人しくなったじゃねぇか」

「……」


そんなにキスしたくねぇのかよ…


やっぱこいつ他の女と全然違う。

俺とキスできるなんて普通の女ならめちゃくちゃ食いついてくるのに。

まぁこいつが普通じゃないってことは今に知ったことじゃねぇけど。


「なぁ…」

「…んぅ」

「…は?」


こいつ…

寝てやがる…


静かだったのは寝てたからかよ…

てことは俺さっきまで独り言…

最悪…

つーか普通男に抱かれて寝るか?

ありえねぇだろ…

無防備すぎ。


あ…

それって俺を男として意識してないってこと?

なんかそれかなりムカつく…


「……」

「…はぁ」


始めて見る凛李愛の寝顔。


やっぱ顔だけはいいんだよな…

問題は性格…

あれまじでなんとかならないのか…?

あの性格じゃなきゃ文句なしの女なのに。

勿体ねぇな〜


とか考えてたら…


凛李愛の家に着いてしまった。

確かこの家で合ってるはず。


「おい、起きろ」

「………」

「凛李愛」

「……むにゃ」

「…今すぐ起きなきゃここでキスする」

「……はっ!あたし寝て…?」


こいつ…

そんなにキスされたくねぇのか…


「家着いたけど」

「あ、ありがと…」


凛李愛を降ろしてやる。


「…お前さ、無防備すぎだから」

「え…?」

「そーゆーの、俺の前だけにしろよ」

「う、うん…?」


理解してねぇな…


「…じゃあな」

「じゃあ…」