淡い、高校時代の憧れのままこの恋は終わった




欲情するわけでもない、ただひっそりと憧れという気持ちのまま



今でも卒業写真を見ると彼がにっこり微笑んでいる





早く病気なおしてね・・また絵を見せて・・・・




治るわけがない、完治するわけがない病気にかかった彼は運が悪い人だった




でも嘆くわけでもない荒れるわけでもない彼はその自分の生涯を受け入れていた











悲しいことがあると  開く革の表紙  卒業写真の面影がそのままだったから






憧れは憧れで終わらせてしまうのがいいのかもしれない美しい思い出のまま




結局美緒は彼の気持ちにこたえることはなかった




ただ懐かしくなったとき革の表紙をめくる・・悲しくなったとき革の表紙をめくる





卒業写真