「付き合う」って何するんだろう…?

デートとか?

デートって、何するの…?

「………初心者すぎだ、私…」

今私は、一人学校の中庭で体育座りで蹲るという情けない格好でいた。

「断った方がいいよね…。早めに。」

くるりと顔を回転させて、
重く閉じていた瞼を開く。

と、そこに。

「…?!」

「大丈夫~?なんか怠そうだぞ?」

「へ…?あ。いえ、大丈夫です…。」

「そう?ならいいんだけど。」

ストンと、当たり前のように私の隣に座る人物。

目を開けると突然いた人物。

ジャージを着てから、分からないけど、
多分、女の子だと思う。

「あ、あの…?」

「あー。アタシ、篠原翠。ミドリでいいよ。」

「あ、はい…。あ、私、は」

「知ってるよ~。新垣七虹、だよね。
 七に虹でナナコって珍しいから、覚えてた。
 あ、あと。敬語やめてな。名前にちゃんつけんのもなーし。」

ビシッと人差し指を私に向けたその子。

翠ちゃん…じゃなくて、
翠…?

(馴れ馴れしくないかな…)
なんて心配になったけど、恐る恐る…

「あ、…み、どり…?」

「んー?何?」

「………呼んでみた、だけ…デス」

「え?
 ははっ。面白ーなぁ、七虹。天然なのか。」

「…よく、言われる。」

「だろーな。そんな雰囲気醸し出してるし。」

ポンポンと、私の頭に手を乗せられる。

(急に、なんだろう…?)

「あのー…さ?
 何か私に用事、あったんじゃ、ない…の?」

「そんなびくびくしなくても、別にアタシ取って食おうってわけじゃねーんだからさ。
 なーんかだらだらしてるから、羨ましくて声掛けてみたの。学校でよくあんな気ぬけるなぁって。」

「そ、そっか。」