「大丈夫だろ。
このモテ男が自分に告白するなんて、
誰でも冗談に思うって。」
ケラケラと楽しげな声が聞こえる。
(七虹の事なんだろ…?
じゃあ、何だ?七虹は浅野に告白されて…?)
頭の中で必死に解釈していると、
無意識にも、心臓がドクドクと脈打ち出した。
「なんだっけ?ほら、新垣に、好きでもないのに告白した理由。」
輪の中の一人が笑いながら言った。
ピクリと自分の動きが止まる。
心臓も沈まる。
(好き、でも…無いのに…?)
自分の耳を疑ったが、次の浅野の言葉をで、それは確信に変わった。
「あの子、すっげぇ大人しくてさ、
仕事とかバッチリこなすじゃん?
だからぁ、俺が彼氏だったら、好感度上がるかなぁ、って。」
「………っ!!」
(好感度、だと……?!)
面白可笑しく笑う輪の話題は、新垣。
こんな馬鹿にするような話題……
許せるわけが、なくて。