皆が来る間落ちた穴を調べることにした。
穴の入り口は意外と狭いのに中は広く少し水が溜まっていた。


ぼぉっと見ていると何やらこちらへ向かって来ている事に気が付く。


「藤本君、な、何かいる…」
「えっ!?何かってなんだ?」


藤本も視線を合わせるとゆらゆらと小さい何かが近づいてくることが分かったらしい。

2人して後退る。しかし後ろは壁逃げられない。ちゃっかし藤本の後ろに逃げ込んだ浅井は藤本の学ランを握りしめていた。


「何、あれ何!?」
「あっ携帯のライト!!」


藤本が携帯のライトで照らすとそこにいたのは少し痩せている犬だった。

驚きのあまり「へっ?」と言う間抜けな言葉が漏れた。
まさかと思い「ジョン」と読んでみると嬉しそうに尻尾を振りワンッと応えた。