「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

「……コト、今自分からしたんだからね」

「え、っ…!」



覆い被さり逃げ場を全てふさいで彼女のみえる世界を彼でいっぱいにしてしまう。



彼女の左手の薬指が彼のニットを掠めるとそれをさらに上から包み込む大きな手。



指輪を撫でるように動く指先は何度も何度も同じ動きを繰り返しまるでそこにあることを確認し、身体に覚えさせているように感じる。



「だめっ……」



このままじゃ流れで。その危険を感じて抵抗しようとうっすら瞳を開けたらその抵抗すらさせまい強い眼力に一瞬気が抜ける。


その隙を待っていたかのようにあっという間にソファーに押し倒される。


いくら大きいといっても大人な二人が横になれば別。窮屈な空間に息が吐きたいと首を振る。


それにより不満そうだが僅かな距離を開けた彼に嫌だと眉を寄せさらに首を振る。が、しかし。



「自分から誘っておいてそれはないでしょ」



なんて言われ再び行為が再開。しかも今度はいきなり服の裾から冷えた指先が入ってくる。



「まっ…けい、さ…」

「だーめ、やめるとかもう無理だから」



いとも簡単に脱がされていく服はラグの上に散らばっていく。気がついたら彼女は既に下着姿。


そこでようやく動きを止めた彼は今度は自らの服を頭から引き抜く。