「そのせいで今まで長続きした彼女もいなかった。けど、長瀬となら上手くいきそうだな」
「しゅ、主任……! じゃぁ、あのっ」
目の前がパァッと明るくなった。いますぐ主任の背中に腕を回して抱きついてしまいたい。
おやつを目の前にした犬っころのような状態。確信的な言葉が欲しくて、つい急いてしまう。
「まぁ、お前が嫌気さしたらそこで終了だけどな。俺はたぶん、お前に飽きそうにないから」
私が嫌気さす?
今までどんなキツイことを言われても嫌いになれなかったのに……そんなことあるわけない。
「主任、あの……お付き合い、してくれるってことで、いいですか!?」
あり得ない展開に興奮気味な私は、息遣い荒く主任に尋ねた。すると主任はニヤリと口角を上げた。
「さぁ。それは今日の働きっぷりにかかってるんじゃないか?」
「ど、どういう意味ですか?」
まさかこれから仕事するの?
不安になって見つめ返すと、ノンフレームの奥の瞳がゆっくりと細められた。
「これからたっぷりいじめてやるから。ベッドの上で」
「へ!?……あのっ」
諦めようと思った恋。
……終わりはまだまだ先らしい。
どうかこのまま、永遠に――。
【END】