「でも、一回愛してるって言ってくれたら……許してやる」

「……カズ」

「あと、もう俺以外見ないって誓いのキスをくれたら」



カズの顔を見上げると、穏やかな瞳で私を見てきた。もう、怒りなんて感じられない。


私が半ば呆けてカズを見ていると。


「どうする?」


小首を傾げて尋ねられた。


「早くしないと、誓わないってことに……」

「ち、誓うよ! 誓う!」

「本当に?」

「もう、カズがいいってわかったから」


カズはフッと笑みを浮かべ、私に顔を近づけてきた。


「俺はもっと前からわかってたんだけど。俺にはリサしかいないって」

「……カズ」


カズはずっと私だけを見て、大事にしてくれていたのに。私ってば……。


「まだ、言葉足りてないだろ」

「え?」


……あ、あれ?

いつものカズは物足りないくらい優しいのに……今日はちょっとだけ意地悪。

カズは口の端を上げて、ニヤリと笑ってる。その表情がやたらと艶っぽくて、ドキッとした。


「あ、あ……愛して、る」


愛してるなんて。初めて言った。顔が熱くなっていく。


「俺も」

「ん……っ」


降り注ぐキスは、お互いの愛を誓い合うキス。