「ごめ……っ」

「どうした、リサ?」

「ホント、ご……っく、ひっく」


謝っていると涙がこぼれてきた。嗚咽混じりに謝り続ける私を、カズはそっと覗き込んでくる。

カズの目に、ヒドイ顔をした私が映る。


カズと付き合ってきた3年間で一番、


最低な顔。




「私……カズに内緒で、合コンに行ってきた」

「は?」


 覗き込んでいたカズの顔が一瞬強張る。


「なんにもなかったし、食べるだけ食べて、一次会ですぐに帰ってきたけど……」

「リサ……」


カズの顔が悲しみと安堵で複雑に曇っている。


「カズより、いい人いるんじゃないかって思って行った」

「……リサ」

「ごめんね、ホントごめんね。浮気しようとしてたんだよ、最低だよ。ごめんね」


ボロボロと涙が零れて床にシミを作った。

カズの顔を見ることもできず、両手で目をこすっていると。


「なに、してんだよ」

「……カズっ」


ギュッと抱き締められ、カズの胸に頬を押しつける格好になった。体温がいつもより熱く感じるのは、きっと怒ってるせい。